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東京スカイツリー®豆知識 防災拠点としてのスカイツリー
スカイツリーにこれだけの人が集まれば、スカイツリーに併設されるオフィスや周辺の商業施設では多くの人が働くことになります。
そのため、大規模災害時には、電車の不通や道路の陥落、交通網のマヒから自宅へ帰れなくなる、帰宅困難者が数多く発生する恐れがあるとされています。
東京スカイツリーは、観光地としてだけでなく、地域を守る防災拠点のシンボルとなることにも大きな期待が寄せられています。
防災拠点としての役割
■危機管理ベースの設置
■高所カメラの設置
■災害時の生活用水の確保
[お問合せ]墨田区防災課防災係 電話:03-5608-6206
また、大型の自家発電機を2台装備し、非常用エレベーターの運転など、1週間分の電力が確保出来るようになっています。
墨田区と東武鉄道は、災害時の協力協定を結ぶ方針で、東京スカイツリーが観光地としてだけでなく、地域を守る防災拠点のシンボルとなることにも大きな期待が寄せられています。
東日本大震災の際は、関東圏も交通混雑や建築物の破損・倒壊などが相次ぎました。
より安全な生活を送るための防災拠点として活躍して欲しいものですね。
東京スカイツリーの地震対策
日本は世界的に見ても「地震大国」と呼ばれるほど、地震の多い国です。
東京スカイツリーの第一の役目は電波塔ですから、万一の災害時にも放送を途絶えさせないことが必須です。また、展望台において船酔い現象を軽減する必要もあり、揺れをどう抑えるかが一番大きな問題となっていました。
地震による倒壊から建物を守る方法は、大きく3つあります。
(1)建物を頑丈にする「耐震構造」。
(2)建物と地盤を切り離して地震力が建物に伝わらないようにする「免震構造」。
(3)特殊な装置や構造上の工夫により地震による揺れを小さくする「制振構造」。
このうち、東京スカイツリーでは制振構造を採用しています。
ビルなどに使われている制振構造の多くは「制振ダンパー」と呼ばれる装置によって地震のエネルギーを吸収し、建物本体への影響を小さくするというものですが、東京スカイツリーでは「質量付加機構」という技術を応用しています。
この「質量付加機構」とは、地震時などに、構造物本体とタイミングがずれて振動する付加質量(=重り)を加えることで、本体と重りの揺れを相殺させて、構造物全体の揺れを抑制する制振システムです。
付加質量には、通常、鋼塊やコンクリート塊が用いられますが、質量の大きい設備機器や畜熱槽等を質量に利用する例もあります。今回のように、心柱=階段室を付加質量に用いた例は世界初です。
揺れが起きたときに生じる現象を単純化して言えば、地震の揺れに対して、違う揺れを発生させ、ふたつの揺れる向きが逆となり、全体の揺れを小さくするというシステムです。
これにより、大地震時に40%程度の応答せん断力を低減することが出来るといわれています。
一方、日本の伝統的な塔である「五重塔」は、これまでに地震による倒壊例がなく、その秘密は、同じく建物中央の柱=心柱にあると推察されています。
634mという塔を現代の技術でつくろうと試みた結果、いわば、現代の最新技術と伝統的構法が出会ったわけです。そこで、今回の制振システムを五重塔になぞらえて、「心柱制振」と呼んでいます。
さらに、東京スカイツリーでは、てっぺんに「おもり」を置いた制振システムも併用しています。
これは、タワーの最頂部に設けたもので、アンテナ取付け部である、ゲイン塔の揺れを抑えることに、目的を特化したものです。おもり、ばね、ダンパーで構成されるTMD(Tuned Mass Damper)制振システムといいます。
ひらたく言えば、周期をチューニングした「おもり」による揺れの減衰装置です。
つまり、東京スカイツリーは、同様の原理を用いた2種類の制振システムを設けたほかに例のない、オリジナルな構造になっているのです。